Kanの名曲『愛は勝つ』誕生秘話と色褪せぬ歌詞に込められた真意
日本中を揺るがした名曲のプロローグは、壮大なテーマではなく、極めてパーソナルな日常の一コマでした。当時、KANさんの身近にいた男性の親友が、実らない恋に悩み「もう諦めようと思う」と相談を持ちかけてきたことがすべての発端です。
KANさんはその友人に対し、飾らないストレートな言葉で「大丈夫、信じて想い続ければ最後に愛は勝つよ」と励ましました。その際、口頭で伝えた励ましのフレーズがあまりにも自然で力強かったことから、「これをそのまま楽曲に落とし込めないか」とインスピレーションが閃いたといいます。
さらに制作の大きな鍵となったのが、KANさんが敬愛してやまなかった米国の世界的ポップスター、ビリー・ジョエル(Billy Joel)の存在です。特に1983年の世界的大ヒット曲『アップタウン・ガール(Uptown Girl)』が持つ、軽快で弾むような16ビートのリズム感と、シンプルながら心を鼓舞するゴスペル調のコード進行を強く意識してピアノを走らせました。友人を励ましたいというピュアな情熱と、極上の洋楽ポップスへのオマージュが見事に融合した瞬間でした。