Acidieとは何か 怠惰と違う「心の疲れ」を読む
acidieの歴史を語るとき、よく参照されるのが古代末期の修道制である。エジプトやシリアなどの砂漠で暮らした修道士たちは、祈りと沈黙、労働を生活の中心に置いていた。その極端に静かな環境で、彼らは心の動きを細かく観察した。
4世紀の修道士エヴァグリオス・ポンティコスは、修道生活を妨げる思いの一つとしてacediaを論じたことで知られる。彼が描いた状態は、昼頃になると落ち着かなくなり、時間が進まないように感じ、部屋にいることが苦痛になり、別の場所へ行けば楽になると思い込むような心の動きだった。
この描写は、現代人にも妙に生々しく響く。画面を何度も見てしまう。机に向かっているのに、何も進まない。別の仕事ならできる気がする。今いる場所、今している作業、今の自分が急に耐えがたくなる。時代も生活環境も違うが、心の構造には重なる部分がある。