令和8年の大相撲を揺るがす「武隈イズム」の躍進——元大関・豪栄道が描く名門部屋への軌跡と土俵の未来
彼の相撲人生において最大のハイライトは、間違いなく平成28年(2016年)9月場所だろう。かど番という背水の陣で迎えたこの場所、豪栄道は鬼神のごとき相撲を見せた。初日から破竹の勢いで星を重ね、横綱陣を次々と撃破。大阪出身力士としては86年ぶりとなる幕内優勝を果たしたのだ。
しかも、ただの優勝ではない。15日間一度も土がつかない「全勝優勝」だった。千秋楽、優勝決定の瞬間に見せた万感の表情と涙。あの秋場所の熱気を覚えているファンは多い。土俵際での驚異的な粘りと、迷いのない踏み込み。まさに大関・豪栄道の真骨頂が発揮された、歴史に残る15日間であった。