屈折率とは何か?光が曲がる仕組みと計算公式・ダイヤの秘密まで解説
屈折率を数理的に扱う上で避けて通れないのが「絶対屈折率」と「相対屈折率」の明確な区別です。一般的にカタログや学術データで「水の屈折率は1.33」などと表記される単一の数値は、すべて絶対屈折率を指しています。
絶対屈折率(記号 $n$)の計算公式は、真空中の光速を $c$、対象となる媒質中の光速を $v$ と置いたとき、次のように定義されます。
【屈折率の基本計算公式】
$n = \frac{c}{v}$
真空中では $v = c$ となるため、真空の絶対屈折率は厳密に「1.000」です。光速 $v$ が落ちるほど分母が小さくなるため、屈折率 $n$ の数値は1より大きくなります。光速を約4分の3(約秒速22.5万km)まで減速させる水の絶対屈折率が約1.33、約半分(約秒速12.4万km)にまで減速させるダイヤモンドが約2.42となるのはこのためです。
これに対し、ある媒質1(屈折率 $n_1$)から別の媒質2(屈折率 $n_2$)へ光が入射するとき、その境界で成り立つ光の進路変化を決定付ける基本原理が「スネルの法則(屈折の法則)」です。オランダの数学者・天文学者ヴィレブロルト・スネルが1621年に発見したこの法則は、以下の美しい等式で表されます。
【スネルの法則の公式】
$n_1 \sin \theta_1 = n_2 \sin \theta_2$
(または相対屈折率を用いて $\frac{\sin \theta_1}{\sin \theta_2} = \frac{n_2}{n_1} = n_{12} = \frac{v_1}{v_2}$)
ここで $\theta_1$ は境界面の垂線(法線)と光線がなす「入射角」、$\theta_2$ は「屈折角」です。この公式から分かる重要な事実は、「屈折率の小さい媒質から大きい媒質へ光が入ると、光線は法線側に引き寄せられる($\theta_1 > \theta_2$)」という点です。空気中($n \approx 1.0003$)から水($n \approx 1.333$)に斜めに光を入れた際、水面で光が下向きに深く折れるのは、数学的・物理学的にこの関係が常に保たれているからです。