虫刺されが治らない原因と病気のサイン|長引く腫れ・しこりの対処法
患部の状態が単なる赤みを超えて悪化している場合、誤った自己処置を続けると重篤な感染症や恒久的な皮膚のダメージにつながります。現れている症状に応じて、適切な応急処置を講じる必要があります。
まず、虫刺されで水ぶくれが生じた場合の対処法として最優先すべきは、「決して故意に潰さない」ことです。水ぶくれの内部に含まれる浸出液は、傷ついた組織を保護・修復する役割を持っています。水疱膜を破ると真皮が剥き出しになり、黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入する入り口となってしまいます。万が一自然に破れてしまった場合は、水道水で優しく洗い流し、清潔な医療用ガーゼやハイドロコロイド絆創膏で保護してください。
また、虫刺されが熱をもつときの対処法としては、患部のアイシングが有効です。炎症によって血管が拡張し、局所の血流量が増加しているため、保冷剤をタオルで包んで1回10〜15分程度断続的に冷却することで、神経の興奮を抑え、かゆみと腫れを鎮静化させることができます。
注意を要するのが、掻き壊した傷口から黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌が侵入した状態です。特に小児においてとびひ(伝染性膿痂疹)と虫刺されの見分け方が問題となります。虫刺され単体であれば病変は刺された点にとどまりますが、とびひに移行すると、水ぶくれが容易に破れて黄色いかさぶた(痂皮)を作り、掻いた手で触れた周囲の健常な皮膚へ文字通り「飛び火」して病変が急速に拡大します。
患部から黄色い膿が出ている、あるいは拍動性のズキズキとした痛みと熱感がある場合は虫刺されが化膿している状態であり、抗生物質による除菌治療が不可欠です。市販のステロイド単体軟膏を化膿部位に塗り続けると、ステロイドの免疫抑制作用によって細菌が増殖し、蜂窩織炎(ほうかしきえん)などの深部感染症へ悪化する危険があります。