水がないのになぜ「海」?月の地名の由来と名付けの歴史を徹底解剖

水がないのになぜ「海」?月の地名の由来と名付けの歴史を徹底解剖の疑問点について、専門知識を詳しくお届けします。

リッチョーリが考案した地名の多くは、地球の天候や人間の感情、神話の概念が反映されています。月面観察で必ず押さえておきたい月の地名一覧と、それぞれの由来に秘められた真相を見ていきましょう。

月面の表側でひときわ目を引く主要な地形には、次のようなものがあります。

・静かの海(Mare Tranquillitatis)
地球から見て月の中央やや東側に広がる海です。静かの海の由来は、かつて占星術的に「月の配置が天候や人々の精神に静けさをもたらす」と考えられていた古代の思想に基づきます。1969年7月20日、アポロ11号の月着陸船「イーグル」が人類初の有人着陸を果たした歴史的な舞台として世界中にその名を知らしめました。

・嵐の大洋(Oceanus Procellarum)
月面西部に広がる圧倒的な広さを誇る暗黒地帯で、海よりさらに巨大であることから唯一「大洋」の称号が与えられています。この嵐の大洋の真相も気象にまつわる古い迷信から来ており、この方角に月が傾く時期は地球上で悪天候や嵐が起きやすいと信じられていたことに由来します。面積は約400万平方キロメートルに及び、日本の国土面積の10倍以上という驚異的な規模を誇ります。

・雨の海(Mare Imbrium)と晴れの海(Mare Serenitatis)
北半球に位置する巨大な円形の「雨の海」は、かつて雨をもたらす月相と結びつけられて命名されました。そのすぐ東隣には、対照的な名前を持つ「晴れの海」が澄んだ円弧を描いています。

・ティコ(Tycho)とコペルニクス(Copernicus)
南部に位置する「ティコ」は、放射状に広がる美しい光条(光の筋)を持つ代表的なクレーターです。16世紀のデンマークの天文学者ティコ・ブラーエにちなんで命名されました。一方、中央付近に堂々と鎮座する「コペルニクス」は、地動説を提唱したニコラウス・コペルニクスの名が刻まれています。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。