『もののけ姫』冒頭5分に潜む演出の謎!名曲「アシタカ記」の深層
1990年代半ば、アニメーション業界において歴史ものを題材にした時代劇ファンタジーを大ヒットさせることは常識外れの賭けとされていた。その無謀とも言えるプロジェクトを推進したのが、プロデューサーの鈴木敏夫と、当時の親会社であった徳間書店である。過激な暴力描写や重いテーマ性をはらむ冒頭シーンは、興行的なリスクを懸念する声もあった。
しかし、鈴木敏夫は「生きろ」というキャッチコピーを前面に押し出し、徳間書店のメディアミックス全力を傾注することで作品を時代の寵児へと押し上げた。冒頭で提示される容赦のない過酷な世界観こそが、既存の子供向けアニメの枠組みを破壊し、大人をも巻き込む日本アニメーション映画産業の地平を広げる最大の武器となったのだ。