海外へ渡る親たち:代理母出産が突きつける法と血縁のリアルな境界線
海外での代理出産を検討する際、真っ先に立ちはだかるのが莫大な金銭的障壁だ。米国で合法的な代理出産を行う場合、代理母への謝礼、体外受精や着床前診断の医療費、エージェント手数料、弁護士費用、現地滞在費を含めると、総額は2000万円から3000万円前後に達することも珍しくない。近年の為替変動も当事者に重い負担としてのしかかる。
東欧や南米などの新興国であれば800万円から1500万円程度に抑えられるケースもあるが、安さの裏には相応のリスクが潜む。現地クリニックの医療水準のばらつき、早産や新生児集中治療室(NICU)利用に伴う想定外の追加請求、さらには仲介業者による資金持ち逃げや契約不履行のリスクまで、すべてを依頼主が背負い込むことになる。
金銭面だけではない。妊娠・出産に伴う母体の健康被害や死産、胎児の先天性疾患が判明した際の中絶をめぐる対立など、国境と言語の壁を越えた極限のプレッシャーが当事者たちを追い詰める。