歯根破折は抜歯しかない?歯を残す最新治療法と後悔しない選択肢を解説
虫歯でもないのに、なぜある日突然、強固なはずの歯の根が割れてしまうのでしょうか。最大の要因は、過去の根管治療によって神経のない歯(失活歯)になっている点にあります。
歯の神経(歯髄)を除去すると、血管から供給されていた水分や栄養分が完全に途絶えます。みずみずしい「生木」が乾燥して折れやすい「枯れ木」になるのと同様に、歯質自体の柔軟性や粘り強さが失われ、衝撃に対して極めて脆弱化します。さらに、昭和から平成にかけて主流だった硬すぎる金属製の芯棒(メタルコア)が、噛むたびに楔(くさび)のように根の内側を押し広げ、内側から破壊を進行させる構造的欠陥も関係しています。
この脆くなった歯に致命的な一撃を与える引き金が、無意識下で行われる歯根破折の原因としての歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)です。就寝中の無意識な歯ぎしりでは、体重の2倍以上(100kg〜200kg超)の強大な破砕圧が局所へダイレクトにかかります。食事の咀嚼圧とは比較にならない負荷が毎日加わり続けた結果、ある瞬間に限界を迎えて破折に至るのです。