愛媛県四国中央市はなぜ紙のまち?名前の由来と住みやすさ・2026年最新実態

愛媛県四国中央市はなぜ紙のまち?名前の由来と住みやすさ・2026年最新実態に関する疑問や疑問点を初心者にも親しみやすくまとめました。詳細を読もうことができます。

四国中央市を語る上で欠かせないのが、全国トップクラスの紙製品出荷額を誇る製紙産業です。経済産業省の「工業統計調査」や「経済構造実態調査」において、製造品出荷額等のうち「紙・パルプ・紙加工品」の分野で長年全国首位クラスの座を維持し続けています。

この地が「紙のまち」へと発展した理由は、主に3つの自然的・地理的条件が揃っていたためです。

第一に、背後にそびえる法皇山脈(石鎚山系の東部)から湧き出る豊富で清澄な伏流水(金生川水系など)の存在です。紙の製造には膨大な良水が不可欠であり、古くは江戸時代から土佐藩や松山藩の御用紙として手漉き和紙づくりが盛んでした。

第二に、瀬戸内海に面した三島川之江港の存在です。国内外から木材チップや古紙などの原料を大量に受け入れ、完成した製品を大消費地である関西・関東圏へ海上輸送するゲートウェイとして機能しました。

第三に、高度経済成長期における技術革新と企業の集積です。ティシューやトイレットペーパーのトップブランド「エリエール」を展開する大王製紙の本社・生産拠点をはじめ、カミ商事(エルモア)や大人用・子ども用おむつ関連で知られるユニ・チャームなど、世界屈指の衛生用紙・紙加工メーカーがひしめき合っています。

この産業風土は独自の文化も生み出しました。地元の愛媛県立三島高等学校書道部が発祥となった書道パフォーマンス甲子園(全国高校書道パフォーマンス選手権大会)は、巨大な紙に音楽に合わせて揮毫する熱気あふれるイベントとして全国的な知名度を獲得。紙の製造という産業が、若者たちの表現文化へと結実した好例といえます。

また、家計に直結する分野ではふるさと納税の返礼品として、エリエール製品をはじめとする高品質なティッシュやキッチンタオル、紙おむつ、高級和紙製品が圧倒的人気を集めており、市の財政基盤を支える重要な柱となっています。

前田 葵

前田 葵

サステナビリティ研究家

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。