中国を手玉に取った元大使・垂秀夫が暴く習近平独裁と外交の暗闘

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国家主席である習近平が推し進める「戦狼外交」の現場は、常に異様な緊張感に包まれていた。なかでも外交トップの王毅が日本側に向けた苛烈な言葉の数々は、外交儀礼の限界をしばしば踏み越えた。だが、垂氏は決して怯まなかった。感情を露わにして机を叩く相手に対し、表情一つ変えずに冷徹な事実を並べ立て、相手の論理破綻を暴き出す。その毅然たる態度は、中国外交部に強烈な衝撃を与えた。

「恫喝に屈すれば、相手はさらに踏み込んでくる」。これが垂氏の一貫した原則だった。中国共産党の権力闘争の力学、そして独裁体制特有の心理的プレッシャーを熟知していたからこそ、相手の急所を的確に見極めることができたのだ。最高指導部の意向を過剰に忖度する中国外交官たちの焦りを見透かしたカウンターは、日中交渉の力学を幾度となく塗り替えてきた。

木村 陽翔

木村 陽翔

テックライター兼ウェブディレクター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。