再開発の波を嘲笑う「黄色い看板」の魔力——2026年、なぜ僕たちは今もあの激熱な炒飯を求め渋谷の路地裏へと吸い寄せられるのか
この店を語る上で外せないのが、すぐ近くに位置するJRAの場外馬券場(WINS渋谷)と、吉本興業の若手芸人の拠点である「ヨシモト∞ホール」の存在だ。 週末になれば、赤ペンを耳に挟んだベテラン勝負師たちがレースの合間に駆け込み、紹興酒と餃子を片手に熱い議論を交わす。一方、楽屋を飛び出してきた若手芸人たちは、懐の寂しさと戦いながらボリューム満点のセットメニューを平らげていく。 かつてテレビのトーク番組で「兆楽芸人」というフレーズが生まれ、一気に全国区の認知度を得たが、現場の空気は今も昔も変わらない。夢を追う者と、夢に敗れた者。それぞれの人生が交錯するカウンター席には、どこか投げやりで、それでいて温かい独特の人間模様が漂っている。