採卵後の性行為はいつから?医師が警告するリスクと避妊の理由
排卵誘発剤(注射や内服薬)を使用して多数の卵子を育てた周期では、採卵後の卵巣は通常の2〜3cmから鶏卵大や握り拳大(5〜10cm前後)にまで大きく腫れ上がっています。この状態での性行為には、命や今後の妊活に関わる2つの重大なトラブルが潜んでいます。
1つ目が卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の悪化です。採卵後、卵巣の腫大とともに血管から水分が漏れ出し、腹水や胸水が溜まりやすくなります。性交による興奮や身体的負荷は自律神経や血流に影響を与え、OHSSの症状(お腹の張り、吐き気、息苦しさ)を急速に進行させる要因になります。
もう1つ、最も警戒すべきが「卵巣茎捻転(らんそうけいねんてん)」です。大きく重くなった卵巣は、根元にある靭帯(茎部)を軸にして物理的に回転しやすくなっています。性行為による体位の変更、腰の動き、腹圧の上昇などが引き金となって卵巣がねじれると、血流が完全に遮断され、激しい激痛とともに卵巣壊死の危機に瀕します。卵巣茎捻転を起こした場合は、夜間であっても緊急開腹・腹腔鏡手術が必要となり、最悪の場合は卵巣を摘出しなければならなくなります。