透明な珍味のれそれの正体とは?アナゴ稚魚の生態と極上の食べ方
ウナギと同様に、マアナゴもまた天然資源の減少が懸念されています。全国のマアナゴ漁獲量は過去30年で大きく落ち込んでおり、資源管理の重要性が叫ばれています。
こうした背景から、国立研究開発法人「水産研究・教育機構」や近畿大学などの研究機関では、マアナゴの完全養殖(人工授精・仔魚育成・成魚化のサイクル確立)に向けた研究が精力的に進められています。仔魚期における特殊な餌(サメ卵粉末などを主原料とした人工飼料)の開発や飼育水槽の改良により、レプトケファルス幼生から稚魚(クロコ)、そして親魚へと人工育成する技術自体は成功を収めました。
しかし、レプトケファルス期は体が極めてデリケートで感染症や水質変化に弱く、生残率の低さと飼育コストの高さが長年の課題です。商業ベースでの安定供給にはさらなる技術革新が求められており、市場に流通するのれそれは現在も100%天然資源に依存しています。この事実こそが、早春の短い期間にしか味わえない「一期一会の贅沢」たる所以でもあります。