青い海の竜アオミノウミウシの衝撃的な生態!漂流する美しき暗殺者
海洋生物学の領域でも長年研究者を唸らせてきたのが、彼らの凄絶な食性だ。主なターゲットとなるのは、猛毒の刺胞を持つ危険なクラゲとして恐れられるカツオノエボシである。触手に触れるだけで人間を激痛に陥れるあの電気クラゲを、彼らは躊躇なく噛みちぎり、貪り喰う。
さらに異彩を放つのが、その後のプロセスだ。カツオノエボシが持つ未放出の刺胞(毒針)を破壊することなく体内に取り込み、手指のように枝分かれした自らの翼状突起の先端へと運搬・濃縮して貯蔵する。つまり、捕食した相手の毒をハイジャックし、元の毒よりも高濃度で極めて危険な兵器として再利用しているのだ。この巧妙かつ残忍な捕食メカニズムこそ、彼らが「漂流する暗殺者」と呼ばれる所以である。