常識を覆す悪臭ゼロと超節水!進化する小便器の知られざる真実
1917年、マルセル・デュシャンは既製品の男性用小便器に「リチャード・マット」と署名し、『泉』と名付けて美術界に巨大なスキャンダルを巻き起こした。便器という日常的で卑俗と見なされていた工業製品を、アートとして提示した伝説的事件だ。
あれから1世紀以上が経過した現在、便器は再び人々の視線を集めるコンテンツになっている。ただし今回は前衛芸術としてではなく、極上の「おもてなし体験」としてだ。YouTubeでは、日本のハイテクかつ清潔極まりないレストルームを紹介する動画が国内外で数百万回再生を記録し、インバウンド観光客が空港に降り立って真っ先にカメラを向けるスポットにすらなっている。
用を足し、手をかざして水が流れ、自動で除菌される。一連のシームレスで無駄のない動作に、世界中の人々が驚嘆する。デュシャンが工業製品の「概念」を問うたのに対し、現代の日本のものづくりは工業製品の「体験価値」を極限まで磨き上げたと言えるだろう。