竹刀を置く日――ダンプ松本が挑む「最後のリング」、昭和の憎悪を愛に変えた最凶ヒールの2026年
引退が噂されるビッグマッチの開催情報が少しでも漏れ聞こえれば、チケット販売サイトにはアクセスが殺到し、即日完売が当たり前の状況が続いている。会場に足を運ぶのは、白髪の混じったかつての親衛隊たちだけではない。親に連れられてきた子どもや、リアルタイムの熱狂を知らない若い女性たちの姿が目立つ。
なぜ人々は、これほどまでにダンプ松本の最後に惹きつけられるのか。それはきっと、何事もスマートに片付けられ、誰もが「いい人」であることを強いられる現代において、剥き出しの感情で悪を演じきり、泥臭くリングを這い回る彼女の姿に、失われた生々しい命の輝きを見出しているからに他ならない。