【実は別物】アラとクエの決定的な違いとは?九州アラ鍋の正体を徹底解説!
姿形が似ているとされる両種ですが、細部の形態的特徴を観察すれば明確に識別できます。スズキ目ハタ科の特徴である強靭な顎と鋭い背ビレを持ちつつも、決定的な鑑別ポイントが存在します。
クエとアラの見分け方において最も確実な指標は「エラ蓋(主鰓蓋骨)の棘」と「体型・体色パターン」です。
標準和名のアラは、エラ蓋の後端に触れると怪我をするほど鋭利で強大な一本のトゲ(鰓蓋棘)を備えています。また、体型はスズキのように細長く側扁しており、若魚の時期には体側に明瞭な暗褐色の縦帯(頭から尾に向かう水平ライン)が走ります。
対照的に標準和名のクエは、丸みを帯びた重厚感のある「ずんぐり型」の体躯をしています。体表には斜め下方向に向かって走る不規則な暗褐色の横縞模様(まだら模様)が刻まれており、成魚になるとこの縞模様が徐々に薄れ、全体が重厚な暗褐色へと変化していきます。エラ蓋にアラのような極端に突出した長大なトゲはありません。
さらに関東や東海地方では、大型のハタ類全般を「モロコ」と呼ぶ慣習があり、モロコとクエの違いについても現場で頻繁に議論されます。伊豆諸島周辺で磯釣り師が狙う「モロコ」は実質的にクエ、または大型のマハタを指す通称であり、生物学上の固有種名ではありません。