きゅうりのべと病を放置すると全滅?初期症状の見分け方と治療薬・防除策

きゅうりのべと病を放置すると全滅?初期症状の見分け方と治療薬・防除策とは一体何なのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

病気を見つけた後、多くの栽培者がドラッグストアやホームセンターの園芸コーナーへ駆け込みますが、ここで薬剤の性質を取り違えると取り返しのつかない事態に陥ります。薬剤には「予防薬(保護殺菌剤)」と「治療薬(浸透移行性殺菌剤)」の2種類が存在し、作用メカニズムが根本から異なるからです。

園芸ファンに広く親しまれているダコニール1000(有効成分:TPN)は、植物の表面を保護膜で覆い、胞子の発芽や侵入をブロックする優れた「予防薬」です。しかし、すでに葉肉の深部に入り込んでしまったべと病菌を殺滅する力はありません。黄色い斑点が広がった後にダコニールをいくら散布しても病勢を食い止めることは不可能です。ダコニールはあくまで「雨が続く前」や「まだ病変が見当たらない上位葉への感染予防」として活用するのが鉄則です。

また、食品成分由来で安全性が高いとされるカリグリーン(主成分:炭酸水素カリウム)に関しても、ネット上で混同が見られます。カリグリーンはうどんこ病に対して菌体を破壊する劇的な治療効果を発揮しますが、べと病に対する適用登録はなく、卵菌類に対する直接的な殺菌効果は期待できません。うどんこ病対策の感覚でカリグリーンを散布し続け、べと病の爆破的拡大を招いてしまうケースが現場では散見されます。

すでに発病してしまった場合の「きゅうりべと病治し方」としては、病斑内部の菌糸を叩く浸透移行性のきゅうりべと病治療薬の投入が不可欠です。家庭園芸向けに入手しやすい治療薬としては以下が挙げられます。

  • 住友化学園芸 ベノミル水和剤 / リドミルゴールドMZ:組織内に浸透し、侵入した病原菌の生育を阻止する定番治療薬。耐性菌出現を防ぐため連用に注意が必要。
  • ランマンフロアブル / ライメイフロアブル:卵菌類に特異的な効果を示す専門薬剤。遊走子の運動性を奪い、病勢の進行を強力に抑え込む。

薬剤を使用する際は、ラベルに記載された希釈倍率(通常1000〜2000倍)と収穫前日数の使用基準を厳格に遵守し、葉の表側だけでなく胞子が潜む「葉の裏面」へ薬液が滴るほどムラなく散布することが成否を握ります。

中村 さくら

中村 さくら

マネー&キャリアエディター

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。