木山裕策の病気の真相|甲状腺がんの危機を越えた『Home』秘話
2004年冬に行われた摘出手術は、執刀医の緻密な技術により、奇跡的に反回神経を傷つけることなく成功しました。麻酔から覚めた木山氏が恐る恐る発した「あ……」という第一声。かすれてはいたものの、確かに自分の喉が震え、音が出た瞬間の安堵感は生涯忘れられないものになったと後に語っています。
手術は無事に終わったものの、術後の喉には違和感が残り、以前のように声が伸びない日々が続きました。しかし、この壮絶な闘病生活が、木山氏の人生観を根本から覆す転機となります。
「一度は失いかけた命と声。もし再び病魔に襲われたら、自分は子どもたちに何を残せるだろうか」――その切実な思いから、木山氏は「自分の声をCDという形にして、息子たちに生きた証を残したい」と決意。38歳にして日本テレビ系のオーディション番組『歌スタ!!』への応募に踏み切りました。
平日は会社員として働きながら挑んだオーディションで、音楽プロデューサー陣の心を揺さぶり、2008年2月にリリースされた楽曲こそが『home』です。不器用ながらも家族への深い愛情をまっすぐに綴ったこの曲は、瞬く間にオリコンチャートを駆け上がり、同年にはNHK紅白歌合戦への初出場を果たしました。