なぜ地域で違う?ナンバープレート字体の謎と「名古屋文字」の真相
ナンバープレートの字体が一般的な印刷用フォント(ゴシック体や明朝体)と大きく異なるのには、デザイン性以上の実用的な理由があります。それがナンバープレート文字偽造防止のための意匠設計です。
車載カメラや街頭のNシステム(自動車ナンバー自動読取装置)が瞬時に文字を認識できるよう、ナンバープレートの文字には極めて高い視認性(可読性)と「誤読防止構造」が組み込まれています。例えば、以下のような偽装工作を防ぐための工夫が施されています。
・数字の改ざん防止:「1」に線を足して「7」や「4」に見せかける、「3」の左側を書き足して「8」にする、といった不正加工を防ぐため、数字ごとの幅や傾斜角、線の接合部が非対称かつ特異な比率で設計されています。
・誤認防止のひらがな選定:自動車に使われるナンバープレートひらがな一覧意味を確認すると、46文字中すべてのひらがなが使われているわけではありません。
「お」(『あ』や『す』と見間違えやすい、また『を』と発音が被る)、「し」(『死』を連想させ縁起が悪い、また『へ』と誤読しやすい)、「へ」(『屁』を連想させる、また発音が紛らわしい)、「ん」(発音しづらく無線通信時に聞き取りにくい)の4文字は最初から除外されています。
また、用途区分ごとに割り振られるひらがなも厳格に決まっています。
・自家用車:「さ・す・せ・そ…」などの一般的な行
・事業用(緑ナンバー):「あ・い・う・え・か・き・く・け…」などの各行先頭グループ
・レンタカー(貸渡用):「わ」「れ」
・駐留軍人軍属私有車両:「よ」「E・H・K・M・T・Y」などのアルファベット
文字そのものの形状だけでなく、割り当てルールそのものが識別精度を高める安全装置として機能しています。