脊髄梗塞で下半身麻痺になる原因と回復の真実を徹底解説
脊髄は、脳から送られる運動指令を全身に伝え、手足の感覚を脳へと届ける「神経の幹線道路」です。この重要な組織に酸素と栄養を供給している血管(前脊髄動脈や後脊髄動脈)が、血栓や血流低下によって詰まることで生じるのが脊髄梗塞です。血流が途絶えた部分の神経細胞が壊死を起こし、その神経が司る部位から下の機能が麻痺してしまいます。
特に多いのが、胸から腰の高さで血流が遮断されるケースです。これにより、両足が動かなくなる「対麻痺(截麻痺)」、すなわち下半身麻痺が突如として生じます。日本脳卒中学会の報告等でも指摘されている通り、動脈硬化を背景とした血栓症のほか、大動脈瘤の手術後合併症、大動脈解離、血管炎、さらには線維軟骨塞栓症(椎間板組織が血管に迷入する病態)など、発症原因は多岐にわたります。
脳梗塞と同様に「血管が詰まる」病気ですが、脊髄を取り巻く血管網は非常に細く複雑であり、側副血行路(迂回路)の発達が乏しい部位では、虚血が生じると数十分から数時間で不可逆的な壊死に陥るリスクを孕んでいます。