草笛光子主演『九十歳。何がめでたい』共感呼ぶ名言と映画の全貌
物語は、90歳を迎えて断筆宣言をし、毎日を無気力に過ごしていた佐藤愛子のもとへ、中年編集者の吉川が転がり込んでくる場面から動き出します。妻との別居や仕事の停滞に悩む吉川は、社運と自身の再起を賭け、愛子に新しいエッセイの連載をしつこく懇願します。
「年寄りを冷やかすな!」と門前払いする愛子でしたが、吉川の粘り腰と世の中の理不尽な風潮への怒りが引き金となり、ついにペンを執る決意を固めます。書き殴ったのは、世間への不平不満、IT化への戸惑い、自身の身体のポンコツぶりを赤裸々に綴った原稿でした。
連載がスタートするや否や、読者アンケートには「スカッとした」「生きる元気が出た」という感想が殺到。反響は社会現象へと拡大していきます。しかし、執筆が進むにつれて愛子は肉体の限界と向き合うことになり、さらには娘・響子との長年の確執や、家族としての距離感という切実な問題とも対峙していくことになります。
クライマックスでは、愛子が単なる怒りを超えて「人は死ぬまで生き切るしかない」という覚悟に至る場面が感動的に描かれます。ただのコメディに終わらず、誰もが避けて通れない「老いと別れ」を真正面から受け止めた展開が見どころです。