『あしたのジョー』登場人物徹底解説!宿敵の最期と名言の真相とは
漫画史上もっとも有名かつ議論を呼び続けているのが、最終回のラストシーンです。ホセ・メンドーサとの15ラウンドに及ぶ死闘を終え、判定を待つリングのコーナーで、ジョーは静かに微笑みながら目を閉じます。
「燃えたよ…まっ白に…燃えつきた…まっ白な灰に…」
この矢吹丈のラストの真相について、「ジョーは死亡したのか、それとも生きているのか」という論争は半世紀以上続いています。原作者の高森朝雄(梶原一騎)と作画のちばてつやの間でも解釈のニュアンスに違いがあり、ちばてつやは「ジョーが持てるすべての力を出し切り、満足感の中で休んでいる姿を描いた。生死の判断は読者に委ねたかった」と語っています。医学的な描写やパンチドランカーの進行度合いから見れば絶命したと解釈されることが多いものの、単なる悲劇ではなく、魂を完全燃焼させた究極の幸福感がそこに描かれていたことは間違いありません。
また、この最終決戦直前に描かれた白木葉子とジョーの関係も屈指の名場面です。ジョーの身体がすでにパンチドランカーに蝕まれていることを知った葉子は、控室で「行かないで!」「私は好きだったのよ、あなたが!」と涙ながらに告白します。それに対し、ジョーは静かに感謝を告げ、自身の大切なグローブを葉子に手渡してリングへと向かいました。ふたりの絆は、男女の恋愛を超越した魂の共鳴として完結したのです。