没後4年、なぜ日本政界と東京は今も「太陽の男」の亡霊と格闘し続けるのか——石原慎太郎が遺した光と劇薬の2026年現在地
2012年4月、ワシントンで行った「東京都による尖閣諸島購入」の発表。この一撃が戦後日本の外交史を不可逆的に塗り替えた瞬間だったことは、歴史の確定事項だ。民主党政権を揺さぶり、結果として国有化へと追い込んだあの奇策は、中国側の海洋進出を一気に加速させる引き金となった。
緊張状態が日常と化した東シナ海の現状を前に、あの強行策が安全保障上の危機を先取りして可視化したのか、それとも不要な挑発によって泥沼の対立を招いたのかは、今も専門家の間で議論が割れる。しかし確実なのは、彼がたった一度の会見で国家の外交路線をハイジャックし、安全保障の地政学を激変させてしまったという冷徹な事実である。