人間の業を描く!内館牧子ドラマの傑作一覧と配信情報総力特集
脚本家・内館牧子が手がけてきた数々の話題作を振り返る際、避けて通れないのが「毒とリアル」の絶妙な交錯だ。彼女が描くヒロインや主人公たちは、決して清廉潔白な聖人君子ではない。エゴイズム、嫉妬、執着、そして定年後の孤独――誰しもが目を背けたくなる自らの影を、スクリーンの中心へと引っ張り出す。
1992年に放送され、空前の相撲ブームとも連動して大ヒットを記録した連続テレビ小説 ひらりは、従来の朝ドラ像を鮮やかに塗り替えた。大相撲の若貴ブームを背景に、対照的な姉妹の恋愛模様と等身大の女性の生き様を活写。朝の爽やかな時間帯でありながら、人間の泥臭い本音を覗かせる巧みな脚本は、全国の視聴者を釘付けにした。
そして1999年、ドロドロとした人間関係の真骨頂として社会現象となったのが週末婚だ。夫婦の新しい形を模索しつつも、姉妹間の根深い嫉妬やマウンティング、狂気的な愛憎が渦巻くこのドラマは、平成の金曜ドラマ枠を象徴する衝撃作となった。「ここまでやるのか」と恐怖しながらも、次週の展開を追わずにいられない中毒性は、今なおドラマファンの間で語り草だ。
時代が下り、映画化もされ大きな話題を呼んだ終わった人では、定年退職を迎えたエリートサラリーマンの葛藤と孤独を描き出した。主演を務めた舘ひろしが見せる、悲哀と滑稽さが同居した演技は絶品だ。仕事というアイデンティティを失った男が、世間体や過去の栄光にすがりながらも足掻く姿は、中高年層のみならず若者世代にとっても身につまされるリアリティに満ちていた。