染色体とDnaの違いとは?遺伝子やゲノムとの関係を本に例えて完全解説
ヒトの1つの細胞核に含まれるDNAを1本につなげて伸ばすと、その長さは約2メートルにも達します。一方で、それを収納する細胞核の直径はわずか約5〜10マイクロメートル(1ミリの100分の1以下)しかありません。この驚異的なサイズ差を克服する仕組みが、DNAの超高次折りたたみ構造です。
DNAは、1953年にジェームズ・ワトソンとフランシス・クリックが提唱した有名な「二重らせん構造」をとっています。2本のヌクレオチド鎖がらせん状に絡み合うこの構造は、非常に安定しており、遺伝情報を安全に保護する役割を果たします。
この細長い二重らせんDNAは、細胞核の中でヒストンと呼ばれる球状のタンパク質に約1.65周巻きつきます。この「ヒストン+巻きついたDNA」の基本単位をヌクレオソームと呼び、まるで糸に通したビーズのような形状を作ります。
ヌクレオソームはさらに規則正しく折りたたまれて「クロマチン繊維」となり、分裂期にはこれがさらにループ状に凝集を重ねて、最終的に1万分の1前後の長さにまで濃縮された「染色体」が完成します。極微小な空間に膨大な情報を無傷で収める、生命の精巧なパッキング技術です。