パプアニューギニア地震で日本連動?南海トラフへの影響と科学的真相

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なぜ物理的に連動しにくいのかを理解するには、地球規模のテクトニクス構造を紐解く必要があります。日本とパプアニューギニアは、ともに世界中の地震の約8割が集中する環太平洋火山帯(リング・オブ・ファイア)の外周部に位置しています。

地球表面を覆う岩盤(プレート)の配置を見ると、パプアニューギニアは主にオーストラリアプレートと太平洋プレート、および周辺の複数のマイクロプレートが複雑に衝突・沈み込みを行う境界にあります。一方、日本列島は北米プレートやユーラシアプレートの下に、太平洋プレートとフィリピン海プレートが沈み込む二重の沈み込み帯を形成しています。

巨大地震の連動性メカニズムにおいて重要なのは、断層破壊によって周囲に伝わる力(応力)の変化です。地殻の歪みが隣接する断層に直接ストレスを与える「静的応力伝播」は、震源からの距離の3乗に比例して急激に減衰します。パプアニューギニアと日本の距離は約4,000〜5,000kmも離れており、途中にいくつものプレート境界や変形帯を挟むため、静的な応力変化が日本列島に及ぼす影響は物理的に測定限界以下の極小値(数ミリパスカル以下)にとどまります。

地震波が地球を周回する際に極小の揺れを誘発する「動的トリガー(誘発地震)」の現象自体は火山地帯などで確認されていますが、これによって数千キロ離れた巨大断層の本震が一気に引き起こされるという仮説は、現在の地球物理学では支持されていません。

井上 凛

井上 凛

シニアコンテンツプロデューサー

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。