作家・椹野道流の経歴と素顔|法医学者が紡ぐ傑作小説と読む順番
ネット上の一部では「法医学者が片手間で小説を書いているのではないか」「流行りのグルメやキャラ小説にシフトした作家」といった誤解を持たれることがあります。しかし、これは彼女のキャリアの厚みを見落とした認識です。
椹野道流は1990年代後半から2000年代にかけて、BL小説や少女小説の第一線で過密な執筆スケジュールをこなしてきた百戦錬磨のストーリーテラーです。『ローゼンクロイツ』や『人買い奇談』といった作品群で培われた「過酷な運命に翻弄される人間の心理描写」や「登場人物同士の濃密な感情の矢印」を描く筆力は、エンタメ小説界屈指の練度を誇ります。
法医学という徹底した客観的リアリズムと、耽美・ライトノベルで鍛え抜かれた情緒的エンターテインメント性。この対極にある2つの要素が高度に融合していることこそが、彼女の作品が他の追随を許さない最大の理由です。