エヴァ旧劇「最低だ俺って」の真相|病室シーンの理由と庵野監督の意図
旧劇場版におけるシンジとアスカのドラマは、冒頭の病室シーンとラストシーンの「気持ち悪い」というアスカのセリフによって完璧な対構造を成しています。
アスカにとって、自らのプライドを奪われた昏睡中にシンジから向けられた行為は、明確な加害であり尊厳の蹂躙でした。劇中終盤の人類補完計画における精神世界でも、アスカはシンジに向かって「あんたが私を助けようとしたのは、ただ私が怖くなかったからよ!」「病室のことも知ってるわよ!」と激しく罵倒し、シンジの欺瞞を徹底的に暴きます。
他者を傷つけ、拒絶されることを恐れながらも、最終的にシンジは「他人が存在する世界」を選択して現実へ帰還します。赤く染まった砂浜の上でアスカの首を絞めるシンジに対し、アスカがその手を頬に添え、最後に放った言葉が「気持ち悪い」でした。冒頭の「最低だ、俺って…」で露呈したシンジの身勝手さと弱さを、アスカが完全に認識した上で受け止めた結末として、両シーンは分かちがたく結びついています。