夜中に突然の悲鳴…子供の夜驚症の原因と夜泣きとの違い・対処法
なぜ、静かに眠っていた子供が突如としてパニックを起こすのか。その鍵は脳の成熟過程にある。筑波大学の柳沢正史教授らに代表される現代の睡眠医学研究は、睡眠と覚醒の切り替えを司る脳内ネットワークの複雑な解剖学的知見を急速に進化させてきた。
夜驚症の発生メカニズムは、「脳の偏った覚醒」と説明される。人の睡眠は、脳を休める徐波睡眠(深いノンレム睡眠)と、夢を見るレム睡眠が交互に訪れる。夜驚症が起こる際、脳の大部分は深い徐波睡眠状態にあるにもかかわらず、恐怖や感情を司る「扁桃体」や自律神経系だけが突発的に覚醒状態へと跳ね上がる。
理性を司る「前頭前野」が完全に眠っているため、本人は状況を理解できず、本能的な恐怖行動だけが表出するのだ。2026年現在の睡眠科学においては、遺伝的素因に加えて、日中の過度な疲労、ストレス、発熱、睡眠不足などが脳の覚醒スイッチの誤作動を引き起こす誘発因子として特定されている。