竹内まりやと夫・山下達郎の歩み|名曲制作の裏側と最新の素顔
竹内まりやの復帰作以降、彼女のほぼすべての作品でアレンジやプロデュースを手がけてきたのが夫である山下達郎だ。スタジオに入れば、夫婦という甘えは一切通用しない。完璧主義者として知られる達郎のディレクションは時に厳密を極めるが、まりや自身はそれを「最も信頼できる耳」として全面的に受け止めてきた。
10年ぶりのオリジナルアルバムとして世に出た『Precious Days』でも、その鉄壁のコンビネーションはいかんなく発揮されている。ボーカルのニュアンスひとつ、コーラスの重なりひとつにまで神経を行き届かせた音作りは、夫婦だからこそ到達できるあうんの呼吸の賜物だ。達郎の代表曲「クリスマス・イブ」が冬の風物詩として愛され続ける一方で、まりやの楽曲群もまた、夫の緻密な職人技によって時代を風化させない永遠のスタンダードへと昇華していった。