なぜ韓国人の苗字は金李朴ばかり?歴史の真相と2026年最新データ

なぜ韓国人の苗字は金李朴ばかり?歴史の真相と2026年最新データとは一体何なのか? 背景や要点を簡潔に解説します。

日本の名字と韓国の苗字を比較する際、最大の違いはその「発生起源」と「識別システム」にあります。日本人の名字が約10万〜30万種にも達する理由は、明治時代の平民苗字必称義務令の際、屋号や地形(山、田、川など)、地名(渡辺、加賀など)から自由に創り出すことが許された「地縁・家名」に由来しているためです。

一方、韓国の苗字は中国の姓氏制度を取り入れた「男系血縁の絶対的な標識」です。地名から勝手に新しい姓氏を作り出すことは許されず、代々受け継がれてきた格式ある漢姓の中から名乗るしかなかったため、伝統的な姓氏の数は約250〜500種類前後にとどまりました。現代の統計では帰化人の姓なども含めて数千種が登録されていますが、国民の99%以上はこれら数百種の伝統的な漢姓に収まっています。

では、街中に金さんや李さんが溢れかえっている状態で、韓国社会はどうやって親族や血縁を識別してきたのでしょうか。その鍵を握るのが「本貫(ポングァン)」と呼ばれる出自の概念です。

本貫とは、その氏族の「始祖の発祥地」を指します。たとえば同じ「金(キム)氏」であっても、以下のように本貫が異なれば、歴史的・血統的にはまったく別の血縁集団として扱われます。

  • 金海金氏(キメ・キムシ):伽耶国の首露王を始祖とする韓国最大の氏族(金氏の約4割を占める)。
  • 慶州金氏(キョンジュ・キムシ):新羅の王族である金閼智を始祖とする名門氏族。
  • 光山金氏(クァンサン・キムシ):新羅神武王の後裔を始祖とし、多くの儒学者を輩出した名門。

同様に、李氏であれば朝鮮王朝の王族直系である「全州李氏(チョンジュ・イシ)」、朴氏であれば新羅建国者の朴赫居世をルーツとする「密陽朴氏(ミリャン・パクシ)」などが有名です。

韓国ではかつて、民法第809条によって「同姓同本不婚(苗字と本貫が同じ者同士の結婚禁止)」という極めて厳格な制度が維持されていました。どれほど遠い親戚であっても、「同じ本貫の同じ姓」であるならば法的に婚姻が認められなかったのです。この条項は憲法裁判所の憲法不合致決定を経て1999年に事実上効力を失い、2005年の民法改正で「8親等以内の血族」などに緩和されましたが、現在でも年配層を中心に本貫を重んじる意識は根強く残っています。

田中 結衣

田中 結衣

デジタルマーケティングコンサルタント

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。