【スクープの記憶】『東京タワー』以前の狂気と哀愁——リリー・フランキーが過酷な貧窮と暗闇の中で研ぎ澄ました「若い頃」の正体
卒業後の20代は、まさに暗黒期とも言える極貧生活が続いた。家賃の払えないアパートを追い出されそうになり、電気やガスが止められるのは日常茶飯事。
「明日食べる米がない」という極限状態の中で、彼はフリーランスのイラストレーターやライターとして活動を始める。深夜番組の劇中イラストや、サブカル系雑誌の雑多なコラム。依頼があればどんな怪しい仕事でも引き受けた。その泥臭い現場で揉まれた経験が、人間の生々しい感情を描く鋭い観察眼を養っていった。