林檎売りの泡沫少女の正しい読み方は?歌詞の意味と結末を徹底考察
多くのリスナーの涙を誘ったのが、楽曲後半からクライマックスにかけて描かれる悲劇的な結末です。ゆっけP自身が執筆・監修を手掛けた角川ビーンズ文庫の小説版では、楽曲の行間に隠されていた壮絶なディテールが明かされています。
少女が不老不死である一方、少年は普通の人間です。年月が経つにつれ、少女の姿は変わらないまま、少年だけが青年となり、次第に老いていきます。少年は「自分が死んだ後、彼女が再び永遠の孤独に取り残されてしまうこと」を何よりも恐れました。
そこで少年は、少女の不老不死の呪いを解き、人間として寿命を迎えられるようにするための方法を探す旅に出ます。各地の文献を調べ、過酷な代償を払いながら、少年はついに呪いを解く薬を作り出すことに成功しました。
しかし、その代償は少年の残された命そのものでした。年老い、病に侵され、瀕死の状態となった少年は、最後の力を振り絞って少女の元へ帰り着きます。少年から渡された解呪の薬を口にした瞬間、少女の身体には数百年ぶりに「時の流れ」が戻り、普通の人間へと戻ることができました。
だが、その奇跡が起きたとき、すでに少年は静かに息を引き取っていました。「あなたと一緒に生きて、一緒に老いていく」という少女の最大の願いは永遠に叶わず、少女は冷たくなった少年の亡骸を抱きしめながら、初めて「人間として」涙を流すという、痛切な結末を迎えます。