船場吉兆とは何だったのか?ささやき女将の真相と息子たちの現在

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船場吉兆の転落は、2007年秋に発覚した百貨店での食品偽装・産地偽装から始まりました。調査が進むにつれ、老舗の看板を完全に踏みにじる不正が次々と明るみに出たのです。

まず発覚したのは、大阪市内の百貨店(うめだ阪急など)で販売していた惣菜や菓子の不正表示でした。期限切れのプリンやゼリーのラベルを貼り替えて賞味期限を延長していたほか、佐賀県産や青森県産の鶏肉を「鹿児島産地鶏」と偽り、九州産牛肉をブランド牛の「但馬牛」と偽って販売していた事実が農林水産省や自治体の立ち入り調査で判明しました。

営業自粛と改善計画を経て、2008年1月に営業を再開したものの、同年5月に元従業員らの内部告発によって決定的な不正が暴かれます。それが日本中を震撼させた「客の食べ残し料理の使い回し」でした。

本店の板場で日常的に行われていたのは、宴席で客が手を付けなかった鮎の塩焼きを焼き直して別の客に出す、刺身のワサビやツマ(大根)、金魚草などの飾りを回収して再利用する、さらには食べ残しの鯛の塩焼きを回収して「鯛ご飯」や「赤出し」に仕立て直すという、衛生面でもモラル面でも弁解の余地がない背信行為でした。料理人が「もったいない」という歪んだコスト削減意識と経営陣の暗黙の指示により、伝統の味を信じて高額な代金を支払っていた顧客を裏切り続けていたのです。

伊藤 翔太

伊藤 翔太

フード&トラベルライター

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。