【ルポ】再開発に揺れる神戸・三宮駅、「火垂るの墓」の原点が消える?変わりゆく街角で私たちが失うもの
作中で清太がうずくまり、息を引き取った駅の柱。聖地巡礼として多くのファンが訪れたその場所は、度重なる駅の改修によってすでに当時の面影を失っている。現在の駅構内は明るいLED照明に照らされ、行き交う人々はスマートフォンに目を落としながら足早に通り過ぎるだけだ。
「ここが本当に、あの物語の場所なのか」。修学旅行で訪れたという男子高校生は、戸惑った表情で周囲を見回していた。案内板もなければ、記念碑も目立つ場所にはない。歴史は、意識的に残そうとしなければ、これほどまでにたやすく日常の雑踏に埋もれてしまうのだ。