看取りの現場で紡ぐ命の対話。ホスピス医・小澤竹俊が語る在宅ケア
小澤竹俊氏が設立に関わった一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会は、医療や介護の専門職にとどまらず、一般の人々に対しても「苦しむ人とどう接するか」を伝える活動を続けている。
人生の終わりにおいて直面する苦しみには、身体的な痛みのほかに「自立の喪失」や「未来の喪失」といった精神的・存在論的な痛みが存在する。解決できない苦しみを前にしたとき、人は無力感に苛まれがちだ。しかし、同協会が提唱する対話アプローチは、「解決できなくても、そばにいて聴くこと」そのものに価値があると教えてくれる。
反復と沈黙を恐れず、相手の言葉を受け止める態度。この学びは介護の現場だけでなく、日常の人間関係や家庭内の看取りの場面でも大きな力を発揮している。