デクと爆豪が示した「ヒーローの終着点」――完結から2年、今なお世界を熱狂させる『僕のヒーローアカデミア』珠玉の名場面を徹底解剖
本作が他のヒーロー物と一線を画すのは、敵(ヴィラン)を単なる「倒すべき悪」として切り捨てなかった点にある。特に、死柄木弔という存在に対するデクのスタンスは、終盤の物語を大きく動かした。
「君が、泣いているように見えたから」
世界を滅ぼそうとする大悪党に対し、デクは対話と救済を試みる。この選択には賛否両論があった。しかし、暴力の連鎖を断ち切るためには、相手の痛みに寄り添うしかないというテーマは、現代の国際情勢や社会の分断にも通ずる重いメッセージだ。ラストバトルにおける二人の精神世界の邂逅は、まさに堀越氏が描きたかった「救済の物語」の極致と言える。