伝説の「ソチの夜」から12年——浅田真央、キム・ヨナ、ソトニコワが残した光と影【2026年特別寄稿】
一方で、ソチ大会は五輪史上に残る「採点論争」の舞台でもあった。バンクーバー五輪の金メダリストであり、圧倒的な完成度とエレガンスを誇る韓国のキム・ヨナ。そして、地元ロシアの大声援を背に、技術点を積み上げた当時17歳のアデリナ・ソトニコワ。フリーでキム・ヨナがノーミスの完璧な滑りを見せたにもかかわらず、金メダルを手にしたのはソトニコワだった。
この判定をめぐり、国際スケート連盟(ISU)には200万人を超える署名が集まるなど、世界的な騒動へと発展。ソトニコワの技術点(TES)の評価やホームアドバンテージ、ジャッジの匿名性に対する疑問が噴出した。一方で、ソトニコワが魅せた若さあふれるエネルギーと高難度コンビネーションが適正に評価されたとする見解もあり、表現力と難易度のトレードオフという永遠の課題を突きつけることとなった。