一級建築士のすごさとは?合格率10%の壁と年収・独占特権の真相
インターネット上の掲示板やSNSでは「一級建築士を取っても割に合わない」という悲鳴が散見される一方で、現場の実態を取材すると、資格取得を境に経済的リターンとキャリアの選択肢が劇的に跳ね上がっている現実が浮かび上がります。
建設コンサルティング会社の30代男性社員は、オンラインの技術者フォーラムで次のようにリアルな心情を吐露しています。「学科で2回、製図で1回落ち、4年目でようやく合格した。直後は予備校代150万円の出費で貯金が底をついたが、合格の翌月から社内手当が月5万円上乗せされ、翌年の昇進で年収が140万円跳ね上がった。何より、客先との打ち合わせで発言の説得力が桁違いになり、若手扱いされなくなったことが一番の財産だ」。
また、一級建築士の独立開業におけるメリットも計り知れません。法律上、建築士事務所を開設して「管理建築士」として事業を率いるには、一級建築士などの資格と所定の講習修了が必須条件となります。二級建築士事務所では手を出せない大型施設や都市型マンションの設計案件を元請けとして直接受注できるため、軌道に乗ったアトリエ事務所や組織事務所の代表であれば、年収1500万〜3000万円超を達成するケースも珍しくありません。
一般企業のサラリーマン設計者であっても、スーパーゼネコン(大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店など)や大手組織設計事務所(日建設計、日本設計など)に勤務する場合、一級建築士の保持は管理職昇進の前提条件です。30代後半から40代にかけての年収相場は1,000万〜1,300万円に達し、定年後も確認検査機関やマンション管理業界などから引く手あまたの再雇用オファーが届き続けます。