パーキンソン病と症候群の決定的な違い|進行速度・薬効の鑑別基準

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パーキンソン症候群の中でも、とりわけ見落としてはならないのが「治る可能性のあるパーキンソニズム」と「生活習慣病に起因するタイプ」です。

高齢者の医療現場で急増しているのが薬剤性パーキンソニズムです。胃腸の動きを促す消化器系運動賦活薬(スルピリドやメトクロプラミド)、精神安定薬・抗精神病薬、めまい止めの抗ヒスタミン薬、さらには一部のカルシウム拮抗薬(降圧薬)など、日常的に処方される薬剤がドパミン受容体を遮断してしまうことで生じます。高齢の親が急に動きが鈍くなり、両手で小刻みな震えが始まった場合、直近で胃薬や睡眠導入薬が追加・増量されていないかを疑う視点が不可欠です。原因薬剤の中止や置換によって、数ヶ月で元の健康状態へ回復する道が残されています。

一方、高血圧や糖尿病、脂質異常症を長年患ってきた高齢者に多発するのが脳血管性パーキンソニズムです。大脳基底核や深部白質に無症候性の多発性ラクナ梗塞(微小な脳梗塞)が多発することで回路が断絶し発症します。この病態の決定的な特徴は「下半身優位」です。上半身の震えやこわばりは目立たず、歩行時に足が地面に張り付いて前に出ない「すくみ足」や、小刻みで歩幅が極端に狭くなる歩行障害が先行します。レボドパはほとんど効果を示さないため、抗血小板薬による再発予防と、視覚的・聴覚的キュー(床の目印やメトロノームのリズム)を用いた歩行リハビリテーションが中核となります。

佐々木 一輝

佐々木 一輝

ビジネス戦略アナリスト

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。