『男はつらいよ』歴代おいちゃん徹底比較!交代劇の裏話と名演の魅力
第14作から第48作まで、実に30作品以上にわたっておいちゃんを演じ続けた下條正巳。彼がスクリーンに登場すると、まるで本物の柴又の店舗に足を踏み入れたかのような安心感が広がる。下條の演じる車竜造は、出しゃばらず、主張しすぎず、それでいて家庭の重鎮としてどっしりと構える理想的な父親像・叔父像であった。
寅次郎が旅先から戻った時の安らぎ、そして再び旅立つ時の切なさ。下條の眼差しには、言葉を超えた慈愛が満ちていた。渥美清の体調が優れない晩年の作品群においても、下條の安定した演技が作品のクオリティを支え続けた。まさに国民的映画の象徴としての「おいちゃん」を完成させた功労者である。