なぜ名刹に赤煉瓦アーチが?南禅寺水路閣が紡ぐ美と再生のドラマ

なぜ名刹に赤煉瓦アーチが?南禅寺水路閣が紡ぐ美と再生のドラマの具体的な内容に迫る! わかりやすい言葉でまとめました。

完成当初は「古刹の景観を冒涜する異物」と激しく非難された水路閣だが、昭和から平成、令和へと時代が移り変わる中でその評価は劇的に変貌を遂げた。1983年には京都市の指定史跡となり、やがて日本の産業発展を物語る貴重な近代化遺産として国民的な再評価が進む。

さらに、歴史的土木構造物としての卓越した工学的価値と景観的調和が認められ、土木学会選奨土木遺産にも認定された。時を経るごとに煉瓦の表面には苔が自生し、雨風によって独特の深い風合いが刻まれる。人工物でありながら自然物へと同化していくその様は、日本人が古来重んじてきた「経年美化」の極致と言っても過言ではない。

日中に訪れると、赤煉瓦のアーチが作り出す幾何学的な陰影に多くの観光客が見惚れている。だが、少し上を見上げてみてほしい。静かな水音とともに流れる水の気配が、この構造物が今も生きていることを静かに告げている。

山下 哲也

山下 哲也

自動車・モビリティライター

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。