本州と北海道の境界崩壊か?未知の交雑クマがもたらす生態異変
行政と保全組織もまた、かつてない制度の隘路に立たされている。環境省(Ministry of the Environment)が定める鳥獣保護管理法において、ツキノワグマとヒグマは異なる地域区分と保護管理指針のもとで別個に扱われてきた。だが、交雑個体が出現した場合、その法的身分や捕獲・保護の優先順位はどう規定されるのか。
専門家組織である日本クマネットワーク(Japan Bear Network)は、迅速なモニタリング体制の再構築と、現場での遺伝子サンプル採取手順の標準化を提言している。種の純粋性をどう守るのか、特定外来生物と同等の扱いとして駆除すべきなのか。保全生態学の倫理と地域住民の生命保護が激突する現場で、明確なガイドラインの策定は待ったなしの状況だ。