問題作『17才。』が問う倫理 女子高生コンクリート事件漫画の深層
実在の悲劇を題材にした作品が出回るたび、出版業界全体が自己検証を迫られる。とりわけ少年犯罪をテーマにする場合、少年法の理念や加害者の人権、被害者側のプライバシー保護という幾重もの壁が立ちはだかる。
一部の批判者は「悲劇の商業利用」と厳しい視線を注いだ。しかし、一方で過度な自主規制が「社会の暗部から目を背けること」につながるという危機感も存在した。事実を隠蔽するのではなく、フィクションの力を通して読者に「人間が持ち得る悪魔性」を突きつけること。この相克は、現代のコンプライアンス重視の風潮においてもなお結論の出ないテーマである。