Radwimps「五月の蝿」が2026年の今再びバイラルする理由――「最凶のラブソング」が持つ狂気と、現代社会が求める“剥き出しの感情”
「五月の蝿」を語る上で、同時にリリースされた両A面シングル「ラストバージン」の存在を無視することはできない。「ラストバージン」が、永遠の愛を誓うどこまでも美しく温かいウェディングソングであるのに対し、「五月の蝿」は地獄の底から響くような呪詛の歌だ。
この極端な二面性こそが、野田洋次郎というソングライターの本質である。人間は、誰かを狂おしいほど愛すると同時に、同じくらい強く憎むこともできる生き物だ。光と影、生と死、祝福と呪い。その両極端を同時に提示することで、野田は人間の感情の「全体像」を描き出そうとしたのではないか。片方だけでは、人間の真実には届かないのだ。