宇ち多゛の暖簾をくぐる完全流儀 下町もつ焼きの聖地と暗黙ルール
宇ち多゛の門を叩くにあたって、初心者が最も身構えるのが独自の「並びの流儀」だろう。表側(アーケード側)と裏側(線路側)の二か所に並び口が存在し、時間帯や列の伸び具合によって整列の仕方が異なる。開店前は裏側に並ぶのが通例であり、列が長くなれば商店街の通行を妨げないよう細かく指示が出される。
何よりも徹底されているのが「完全なシラフで並ぶこと」だ。酒気帯びでの入店は一切許されない。他の店で一杯ひっかけてから並ぶ行為は厳禁であり、店側の観察眼は極めて鋭い。私語を慎み、スマートに並び、案内された席に素早く腰掛ける。数あるルールは一見厳格に思えるが、すべては限られた空間で全員が気持ちよく酒を味わうための合理的な配慮に基づいている。