野生絶滅から奇跡の復活!キハンシヒキガエルが辿った数奇な運命

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キハンシヒキガエルが科学的に発見されたのは1996年のことでした。しかし、その発見は悲劇の幕開けでもありました。当時、タンザニア政府は国家の深刻な電力不足を解消するため、世界銀行などの支援を受けてキハンシ川に大規模な「キハンシ水力発電ダム」を建設する国家プロジェクトを急ピッチで進めていたのです。

1999年にダムの稼働が始まると、渓谷へ流れ込む水量は従来の10分の1以下(約90%減)へと激減しました。それまで滝が作り出していた広大な飛沫ゾーンは一気に干上がり、湿度に依存して生息していたキハンシヒキガエルの生息環境は致命的な打撃を受けます。かつては数ヘクタールの狭い範囲に数万匹規模で密集していた個体群が、瞬く間に激減していきました。

さらに追い打ちをかけたのが、世界中の両生類を脅かしていたカエルツボカビ症の侵入でした。水量の激減による極度のストレスと乾燥、そこへ致死的な感染症が重なったことで生態系は完全に崩壊。2004年の調査を最後に野生下での生息が確認できなくなり、国際自然保護連合(IUCN)は2009年、公式にレッドリストで「野生絶滅(EW: Extinct in the Wild)」を宣言するに至りました。

小林 直樹

小林 直樹

トレンドリサーチャー

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