ノルアドレナリンとアドレナリンの違いとは?脳と身体の作用を徹底解剖
ノルアドレナリンとアドレナリンの作用を理解するうえで、最も本質的な境界線は「神経伝達物質」として働くのか、それとも「内分泌ホルモン」として全身を巡るのかという作用機序にあります。
ノルアドレナリン(英語名:ノルエピネフリン)は、脳内の青斑核と呼ばれる部位や交感神経の末端から分泌されます。シナプス間隙を通じて隣の神経細胞へダイレクトに情報を伝えるため、作用の発現がミリ秒単位で極めて速く、意識の覚醒、空間認識、集中力、恐怖・不安の察知といったメンタル面のスイッチを瞬時に入れます。
一方のアドレナリン(英語名:エピネフリン)は、交感神経の刺激を受けて副腎髄質から血液中へと大量に分泌されるホルモンです。血流に乗って全身の受容体(主にβ受容体やα受容体)に届くため、心拍数の急上昇、気管支の拡張、肝臓でのグリコーゲン分解による血糖値の上昇など、骨格筋が最大のパワーを発揮できる肉体環境を整える役割を主導します。